この記事は 一休.com Advent Calendar 2023 24日目の記事です。
宿泊プロダクト開発で開発ディレクターをしています、橋本と申します。
ついにクリスマスイブ。残すところこの記事を含めて2つとなりました。
本日の記事では開発ディレクター1年目の奮闘劇を皆さんに紹介したいと思います。
同じディレクターの方はもちろん、何か新しいことに挑戦している皆さんに届くと嬉しいです。
簡単に経歴紹介
新卒でNWインフラの会社に入社し、 エンジニアとして法人顧客のサービス導入をサポートをしてきました。 AWSの運用、セキュリティ商材の導入、NW機器の導入運用、スマホ管理サービス導入など様々な分野を担当し、直近では技術営業として提案メインでの活動に従事していました。
5年目になったころ、サービスの導入ではなく、サービスを作ることに興味を持ち、プロダクト開発という新しい分野にチャレンジすることを決めました。
そこから社内の制度を活用し、現在は一休にお世話になっています。
奮闘劇
インプット多量死をなんとか免れた序盤
入社前に開発ディレクターとはなんぞやということですごく簡単な資格だけ取りました。
Webディレクション | Web検定(ウェブケン)
一般的なWeb業界の用語がメインで、実際に何をする役割なのかはふわっとだけ学びました。ただ、実際に入社してみると、言葉通り「右も左もわからない」状況でした。
社内で使われているツールで触ったことがあったのがGmailとSlackだけで、進め方以前に使い方がわからない。。
業務フローについて説明を受けるも、表面的なところだけ分かった気になってしまう。。
SQLも書けないのでデータ抽出を頼まれても時間がかかる。。
操作方法について聞くも1回では理解できないので、録画をして後で自分でコンフルにまとめる日々。。
なによりアウトプットが何もできない状態でした。
そこで自分が意識したのは、
- わからないことはわからないままにしない
- 一度教えてもらったことは、次回からは一人でできるようになる
とにかく周りに迷惑をかけないように、渡されたタスクはミスなくこなせるようにすることを日々考えていました。
まずは仕事に慣れること、一人分の仕事ができるようになることを目指してがむしゃらに取り組む日々でした。
とにかくインプット量が多くて整理しきれなくなりそうになるのをなんとか踏ん張った2カ月。
2カ月目で起きたのが常に追いかけまわしていたディレクターの先輩が産休に入られるという出来事。。。
必死に犬掻きをする中盤
産休に入られた先輩から複数プロジェクトのディレクションを引き継ぎました。
正直、やってやる!という気持ちと、自分が主体になることでプロジェクトが失敗するのではないかという不安で、精神的には余裕のない状態でした。
実際に業務に取り掛かると、
引き継いだ業務をうまく進めようと意気込むが、頑張りどころと向かう先がイマイチ合っておらず、日々犬掻き状態。。
チームからはディレクションとしての役割を求められるが調整業務にも何日も時間をかけてしまう状態。。
今振り返るとこんな状態でした。
- 進め方や要件、仕様について各所と調整をしているつもりが、状況や要望を聞いてきて持って帰るだけの伝書鳩になっていた
- ユースケースを複数考慮できず出戻りが発生することが多かった
- 自分がやるべき最低限タスクができていないのに、改善や新規の提案など背伸びをして何か価値を出そうと空回りしていた
振り返るとなかなか恥ずかしいですね、、
この状況を打破すべく意識したことは
- 取り組む前に進もうとしている方向の認識合わせを行う
- 悩むポイントはこまめに壁打ちを行う
チームマネージャーに週1回、プロジェクトの進め方やチームのコンディションについて会話をする時間をいただきました。
これがとても大きかった…!
この時に必ず自分の考えをもって臨み、ギャップを埋めていくことに努めた結果、
敷いてもらったレール上を進めることはできるようになってきました。
では次は自ら動けるようにならねば。。。
自分の役割が何となくわかってきた今
複数のプロジェクトを経験することで、プロジェクトの初期、中盤、リリース前、リリース後のぞれぞれのタイミングでディレクションがやるべきことがわかってきました。
「あのプロジェクトと同じように、こう進めていきます」といえるようになったのは大きい。
今後の動きを予測して動けるようになったこともあり、チームメンバーや他部署から依頼をされることも増えてきました。
さらに成長を感じたところとしては、【考えるタスク】を少しずつこなせるようになったこと。
調整業務やチームの開発を前に進めることだけではなく、本来のディレクション(方向を示す)という意味での【考えるタスク】を担当し、チームがその方向に進んでいくという体験が少しずつできるようになってきています。
最近ではこのようなことに悩んでいます。
- 開発目線になりすぎてビジネス観点(価値あるもの適切なタイミングで世に出すためにはどうすべきか)が漏れてしまうことがある
これは同じ悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
開発ディレクターは開発メンバーと過ごす時間が多いこともあり陥りがちな思考だと思います。
安全にミスなく進めるためにはとても重要ですが、忘れてはいけないのは、
リリースをすることがゴールではなく、【価値のあるプロダクトを生み出すことがゴールである】ということです。
例えばA案が良いと思って進めていたけれど、リリース直前になってB案の方が顧客の満足度も高く、売上にもつながるとわかったケースがあるとします。
開発チームとしては、直前で変更を加えなくてはいけない、リリース日の延長はなるべく避けたい、という状況はストレスにつながると思います。
しかし、私たちが進むべきゴールは【価値あるプロダクトを生み出すこと】です。
開発チームには負荷がかかりますがディレクターとしてはサンクコストではなく、プロダクトの価値を見るべきです。
私は同様の経験を通じで、ディレクターは開発目線とプロダクトオーナーのどちらの目線も持つことがとても重要だと身をもって学びました。
ディレクターとして働き始めた当初は、ディレクターって正直いなくても開発は進むよな…と自分の価値を見つけられずにいました。
今では、プロダクトの価値を最大化すること、さらに開発チームとプロダクトオーナーの両者が最も進めやすい方法を模索することがディレクションの価値だと思っています。
今後に向けて
今の私が意識し、目標にしていることを宣言させてください。
私は、エンジニアより技術力はない。
私は、マーケターよりも市場の把握や予測に強くない。
私は、営業よりも現場の考え方が理解できていない。
けれど、チームの推進力を高め、開発によって生み出されるプロダクトを価値あるものにする力は誰よりも持てるようになりたい。
そのために2つのことを意識していきたいと考えています。
- チームマネジメントについて学び、チームに合った進め方でさらに推進力を上げていく
- ビジネス目線を常に意識し、開発で生まれるサービスが価値あるものになるようにディレクションを行う
一人のディレクターとしてチームや会社にとってなくてはならない存在になることを目指してきます。
最後に一言
勇気を出して、別業界かつ別職種にチャレンジしたことを本当によかったと思っています。
辛い時もありますが、日々自己成長できていると実感することができています。
この場を借りてチームメンバー、同じエンジニアメンバー、一休の皆さんに感謝の気持を伝えたいです。いつも温かいアドバイス、ありがとうございます。
これからも明るさと元気を取柄に頑張ります!